レポート2019.04.21「生きるということを考えて過ごして欲しい」牛嶋監督が映画に込めた思いとは!? 『君の膵臓がたべたい』舞台挨拶
4月21日(日)、那覇市の桜坂劇場ホールCで特別上映作品『君の膵臓がたべたい』の上映と舞台挨拶が行われました。
この作品は略称「キミスイ」として人気を博する、住野よる作の同名小説を映像化した劇場アニメ作品です。周囲には隠しているが膵臓の病気で余命いくばくもない、クラスで人気者の高校生・山内桜良と、他人に興味をもたずにいつもひとりで本を読んでいる同じクラスの「僕」。「僕」が1冊の文庫本を病院で拾うことから始まる青春アニメ映画です。
上映後行われた舞台挨拶では、まだ場内にウルウルとした余韻が残るなか、牛嶋新一郎監督と天津・向清太朗、横澤夏子が登壇しました。牛嶋監督は「原作者と密にやりとりした熱をそのまま反映させたかったので、直接私が脚本もやらせていただいた」と、監督と脚本の両面で関わった経緯を明かしました。
また、牛嶋監督は実写映画化された後のアニメ化だったことということで、光、色使い、ファンタジーな感じで実写とは違った演出をされたといいます。さらにキャスティングの裏側も披露。「『僕』は人と接するのが苦手、人と接するのが初心者というキャラなので、声優経験のない方で化学変化を起こすのではということで高杉真宙さんを、山内桜良は感情が変わる娘、ずっと自分だけの秘密を隠している娘なので、演技の中にウラがあるというキャラを演じられる声優経験のある方をオーディションして、Lynnさんにした」と、それぞれキャラクターに合わせたこだわりの人選だったようです。
そのLynnさんからは「映画はいかがでしたか?温かい気持ちになってくれたら嬉しいです。沖縄料理屋は行くのですが沖縄には行ったことがないので、現地で料理を食べるのが『死ぬまでにしたいこと』のひとつです」とビデオメッセージが届きました。
「死ぬまでにしたいことは?」という問いかけには、向は「アニメの主人公の声をやってみたい」と熱望。横澤は「私を好いてくれる男が、私を好いてくれる別の男を殴って欲しい」と罪な女願望をはきだしました。「子どもができたので子どもと一緒にまたここに来たい」とは牛嶋監督の願いで、続けて「今日出会えたことは奇跡とか偶然ではなくて、それぞれ積み重ねてきた人生がめぐり合わせたのではと思います。生きるということを考えて過ごしてもられたらと思います」と挨拶し締めくくりました。