4月20日(土)、北谷町のミハマ7プレックスで特別招待作品『エリカ38』の上映と舞台挨拶が行われ、主演の浅田美代子さん、南海キャンディーズ・山崎静代、日比遊一監督、製作総指揮を務めた奥山和由さんが登壇しました。

本作品は、人々から多額の金を騙し取り、男性をも誘惑。のちに異国の地で逮捕される女性の姿を、実在の事件をモチーフに描いたヒューマンドラマで、2018年9月に他界した樹木希林さんが初めて企画した作品であり、遺作となった映画です。

挨拶の冒頭、主演の浅田さんは「希林さんとワイドショーを観ていたら『美代ちゃんこんな役やったらいいよ！』と勧められ、冗談だと思っていたところある日突然『大変だけど頑張るのよ！』と電話が来て驚いたんです」と制作のきっかけとなったエピソードを語ると会場は笑いに包まれました。また、「『映画祭にも一緒に行こうね』って言ってくれていて、叶わなかったけど、でも今日はこの辺に来てくれていると思います」と希林さんとのやりとりを感慨深げに打ち明けていました。

また、劇中でお手伝いさん役として参加した山崎は「撮影中は一瞬たりとも希林さんの動きを見逃したくなかった。でも自分のような大きい者が近付くとビルが建ったみたいに希林さんが日陰になるから、距離感を保ちながら接しました」と語ると、浅田さんに「このお手伝いさんの役がしずちゃんでよかったねー、『いいよーしずちゃん！』って希林さんと2人で話していたんだよ。感謝してます」と打ち明けられ感無量の表情。加えて山崎は「浅田さんのお色気シーンに注目して欲しい。詐欺はダメだけど、色気で男を虜にするところは女性として見習いたい」と浅田さんの演技を絶賛し笑いを誘っていました。

また、プロデューサーを務めた奥山さんは「1にも2にも映画界のど真ん中にいた希林さんのオーラで出来上がった映画です。撮影中も体調が悪く、這って歩くような状態で打ち合わせに参加されていて浅田の代表作を残したいという決心が垣間見えた。打ち合わせ中、夕日を背景にした姿はスターウォーズのヨーダに見えて、『あなたがやるしかないのよ』と言われているようだった」とユーモアを交えながら撮影時の様子を振り返ります。

日比監督は「脚本も無いしお金も無いが、不動産一軒くらい売っても構わないと打ち明けられ希林さんの覚悟を感じた。海外の映画祭に出られるような経験を、浅田さんにも次の世代にも与えたいと話していたことが印象に残っている」と、希林さんの作品に対する思いを打ち明けると涙を拭う観客の姿も見られました。

挨拶の最後に浅田さんは「現実のモデルはいるがノンフィクション、あの事件を見てエリカなんだと思ってもらえたら大成功だと思います。映画の最後が“またこの女やるぞ”という終わり方なので、そこに注目欲しい」と見どころを語ると会場は拍手に包まれ、登壇者、観客、すべての人々が今は亡き樹木希林さんに思いを馳せた舞台挨拶でした。

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