レポート2019.04.20壊れていくのは家族か自分か、それとも家屋か。世界で絶賛された映画『逆噴射家族』舞台挨拶
4月20日(土)、那覇市の首里劇場で「日本のコメディ・世界のコメディ」部門として『逆噴射家族』の上映と舞台挨拶が行われました。
『逆噴射家族』は1984年公開の石井聰亙(現・石井岳龍)監督による日本映画で、原案・脚本は『東大一直線』『ゴーマニズム宣言』などで知られる漫画家の小林よしのりさんです。
上映後には、演出家で編集者、作家の高平哲郎さんと、監督の石井岳龍さん、そしてMCのバッファロー吾郎・竹若元博の3名が登壇。高平哲郎さんと監督の石井岳龍さんが会うのは約40年ぶりということで、初めに監督から「選んでいただいて光栄です」と挨拶がありました。
高平さんはこの作品について「『シャイニング』『悪魔のはらわた』などのホラー映画や『家族ゲーム』の影響が見られる。家族が崩壊していく内容だけど、このバカバカしさ、凄さにあらためて驚いたね」と賛辞を送ります。
石井監督は「それまで乱暴な映画ばかり撮っていたので、そろそろちゃんとした映画をと思って、家族の映画を考えていました。元々は息子と父の殺し合いの話だったのですが、小林よしのりさんに相談したら家族戦争がいいということになりました」と明かし、「公開当時は(日本では)受けなかったです。でも、海外でバカ受けして」と語る通り、実際、イタリアのサルソ映画祭でグランプリを受賞しています。MC竹若も「この時代だからできた作品ですね」との感想を話しました。
最後に高平さんから「これからあらためてこの作品を宣伝します」と石井監督にはうれしい言葉があり、石井監督は「おもしろい映画を残してくれたスタッフ、すばらしい出演者に感謝します。ここで上映してくれてうれしいです。また呼んでください」と感謝を伝え、舞台挨拶を締めくくりました。