4月20日(土)、那覇市の琉球新報ホールでTV DIRECTOR'S MOVIE のNEP局映画『エキストロ』の舞台挨拶が行われました。

この作品は、時代劇撮影が数多く行われているワープステーション江戸を舞台に、市民エキストラたちの悲喜こもごもの営みを描いた骨太なドキュメンタリー。と、見せかけながらあらぬ方向にストーリーが流れていくという不思議な映画。出演者のほとんどは実名で自分を演じ、フェイクドキュメンタリーの虚実が入り混じる世界観を表現しています。

舞台挨拶には、村橋直樹監督、主演の萩野谷幸三さん、山本耕史さん、吉本坂46メンバーの三秋里歩さん、脚本家の後藤ヒロヒトが登壇しました。

「この作品はモキュメンタリーです。どこまでがウソか本当かわからないように作っています」と脚本家の後藤が作品について述べると、村橋直樹監督も「僕は普段NHK職員で真面目なドラマを作っているので、少し不真面目なものにしようと思って。脚本の流れはあるんだけど、役者さんにもどこまで撮影なのかがわからないように撮影しています」と、言葉をつなぎました。

「出演のオファーを受けた時から、内容がフワーッとしていてよくわからなかった」という山本さんは、「自分役というのも初めてで、劇中劇の外でさらにカメラが回っているという現場も初体験でした。これでいいのかなと思っていたけど、できあがりを観たらこれでよかったんだと納得しました」と、今回の映画の不思議な撮影方法について振り返ります。
さらに、「この映画では表現をしないということが必要でしたが、僕らはいつも何かを表現するのが仕事だから難しかったです。なるべく普段の自分で、力を抜いた状態でいるというのかな。初心に戻った感じでおもしろかったです」と、ベテラン役者らしい目線での感想を打ち明けました。

デビュー前に映画のエキストラをやった経験があるという三秋さんは、山本さんに謝りたいことがあると告白。「監督に性格が悪いところを出してと言われていたので、普通に山本さんが優しくしてくれている時にも素っ気なくしていました。すいません！」と出演者の笑いを誘いました。

そして映画初主演を務めた萩野谷さんは、劇中の雰囲気と実際の雰囲気が違うと司会者に振られると「いやいや百姓ですよ」と恥ずかしそうに謙遜。「もう65歳なので、生きているうちに主演ができてよかったです。これ1回でいい。あまりいいことがあると悪いことが起きそうだから」とコメントして、「そんなこと言わないで！」と共演者にツッコまれる場面もありました。

最後は「本当に気持ち悪い映画というか。観方がわからないかもしれませんが、映画は体験ですから。不思議な体験ができると思うのでぜひ観てください」と村橋監督が観客にメッセージ送り、舞台挨拶を締めくくりました。

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