4月19日(金)、那覇市のテンプスホールで地域発信型映画の３作品『BENTHOS』『ルーツ』『透子のセカイ』が上映され、それぞれの舞台挨拶が行われました。

長崎県長崎市高島を舞台にした『BENTHOS』からは宮﨑香連さん、是近敦之、長崎亭キヨちゃんぽん、野上鉄晃監督が登壇しました。「作中にあった”地獄極楽はここにある“のように舞台となった高島は観光の町ではあるものの、人口の減少などの問題を抱えている」と長崎亭キヨちゃんぽんが作品のテーマを説明。

是近は、「楽しい雰囲気で撮影が進む中、自分が引きこもりの役作りのために、周りと接しないようにしているのが大変だった」と話し、共演者も心配されたという。野上監督からは「沖縄で高島のことを上映して頂いて光栄です」と感謝を表しました。

神奈川県綾瀬を舞台にした『ルーツ』からは綾瀬市の古塩政由市長、インパルス・堤下敦、川村ゆきえさん、チャド・マレーン、渋谷悠監督が登壇しました。チャドは「英語が喋れないベトナム人を相手にしてゆっくり喋る役作りをしていた」と話すと、渋谷監督も「今初めて聞いた」と感心していました。

作品冒頭のシーンに登場した古塩市長は「背中のシーンだけだと思って背中で演技していたのに」と正面からの撮影が上映されたことに驚きつつも「綾瀬市はロケを誘致して、行政と民間で一体となって市民が盛り上がって支援する街です」とアピールしました。また、作品の題字は、綾瀬市在住ながらも呼ばれなかったというドランクドラゴン・鈴木拓が書いたものだと裏話も披露されました。渋谷監督は「綾瀬市も基地がある街で、そこで撮った作品が基地の問題を抱える沖縄で上映されたことに意味がある」と話しました。

最後に長野県千曲市を舞台にした『透子のセカイ』から吉本実憂さん、白石優愛さん、濱津隆之さん、勇翔(BOYS AND MEN)さん、源田泰章プロデューサー、曽根剛監督が登壇しました。吉本さんは「あんずが有名でたくさん頂いたし、景色の素晴らしさが透子の役作りにリンクしました」と話し、白石さんは「顔色の悪いメイクのまま現地の方に送迎してもらったら、心配されました」と千曲市の温かさに喜んでいました。

劇中のお祭りのシーンについて勇翔さんから「撮影の後には本物の現地のお祭りがあった」と、セットではなく現地の協力あっての撮影だったことを明かしてくれました。曽根監督は「最初はアイデアなしのまま現地を見回ってから脚本です。現場は過酷だったけど、それを上回った楽しい雰囲気が伝われば」と撮影現場の裏側を話してくれました。

それぞれの地域の特色を生かした三者三様の作品ですが、どれも撮影地への感謝と思い入れが伝わる舞台挨拶となりました。

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