レポート2019.04.19石橋正次さんが「思い出深い作品」と振り返る1980年制作映画『太陽の子てだのふあ』トークショー
4月19日(金)、那覇市の琉球新報ホールで、沖縄ヒストリカルムービー『太陽の子 てだのふあ』の上映が行われました。
本作は、灰谷健次郎さんの同名小説を映画化した1980年制作の作品。神戸を舞台に、沖縄出身の両親をもつ小学生の「ふうちゃん」と、過酷な沖縄の歴史や本土からの差別に悩まされてきた大人たちとの交流が描かれ、沖縄ロケも行われています。
上映後に開催されたトークショーには、本作に出演した石橋正次さんが、桂文枝とともに登壇しました。初めて沖縄国際映画祭に参加したという石橋さんは、「古いですが沖縄に関連する作品なので、沖縄の方に観ていただける、このような映画祭があるのがうれしいです」と観客に向けて喜びを語りました。
作品のなかでは「ぎっちょんちょん」役を演じた石橋さん。オーデションで選ばれたという主役の子どもたちについて、「彼らが素人だったからこそ、沖縄の香りがする素朴な雰囲気が出せたんだと思います。名俳優では演じ切れないもので、彼ら以外に考えられないですね」と振り返ります。
また浦山桐郎監督の話になると「おとなしい、小柄な方でした」と語りながら、「リアルを追及するため、画面に映っていなくても、ぼくたちは雰囲気としてそこの場にいないといけない。衣装を着て準備をしていましたが、ワンカットも映らないときもありました」と撮影エピソードを明かしました。
40年以上も前に撮影された作品ですが、当時の様子をすらすらと語る石橋さんに対し、桂文枝は「よくもこれだけ覚えてられていますね!? 大変な現場だったんですか」と驚きますが、石橋さんは「大変だったというより、思い出に残った作品です」と懐かしそうに答えていました。最後には「浦山監督や出演者も喜んでいると思います。今日の話をみんなに伝えたいです」と感慨深げに話し、トークショーは幕を閉じました。