レポート2019.04.20マルクス4兄弟が躍動するハチャメチャコメディ映画『御冗談でショ』トークショー
4月20日(土)、那覇市の首里劇場で特別上映「日本のコメディ・世界のコメディ」部門として『御冗談でショ』の上映とトークショーが行われました。
『御冗談でショ』(原題:HORSE FEATHERS)は1932(昭和7)年のノーマン・Z・マクロード監督によるアメリカ映画で、グル―チョ、チコ、ハーポ、ゼッポのマルクス4兄弟が名門大学を舞台にギャグを炸裂させるコメディ映画です。上映後、演出家/編集者/作家の髙平哲郎さん、喜劇映画研究会の新野敏也さん、桂文枝、そしてMCのバッファロー吾郎・竹若元博の4名が登壇しました。
3名の挨拶の後、新野敏也さんから作品の解説がありました。この作品は、それまで舞台を映画化していたマルクス兄弟が映画用に書き下ろした最初の作品だそうで、当時の時事ネタやローカルな店名、ダジャレなども多く、翻訳すると分かりづらいところもあります。また、細か過ぎて分かりにくい演出部分があるということで何カ所かを実際に見せながら解説してくれました。さらに、登場人物の一人の顔が映っていないラストシーンの謎についての推理もありました。
今回の上映の際に表示された英語のダジャレ字幕は、髙平哲郎さんによれば「今までで一番分かりやすい字幕だった」とのことです。そして、「この映画が日本公開された時はまだ字幕が発明されていなかったので、活弁士付きの上映だったかもしれない」と新野敏也さんからも考察がありました。
マルクス兄弟はみんな芸達者で楽器の演奏も非常にうまい(作品内ではピアノ、ハープ、ギターの演奏や歌うシーンあり)のですが、最初から最後までずっとふざけっぱなしの中で演奏シーンだけはきっちりとしていました。また、こういった歌や音楽入りの喜劇がその後のエノケン(榎本健一)につながっていったとのことです。
さまざまなシーンの話は尽きないようでしたが、最後に桂文枝から「この劇場にピッタリやなぁ」という締めの言葉をいただき、現存する沖縄最古の映画館での貴重な戦前の映画上映となりました。