レポート2019.04.21葛藤を抱えた父と息子の愛情や関係性を描いた感動作。中国映画『SUN FLOWER』舞台挨拶
4月21日(日)、那覇市の桜坂劇場ホールBで特別招待作品の中国映画『SUN FLOWER』の舞台挨拶が行われました。
この作品は、母の死後に再婚した父と、そんな父と離れて祖母と叔父と暮らしていた息子の物語。祖母の死をきっかけに再び一緒に暮らすことになった父と息子が葛藤を抱えながらも少しずつ距離を縮めていく姿を描いた感動作です。
舞台挨拶に登壇したのは、ジャン・ルオピン監督、主演のウ・チョウさん。さらに応援団としてEXITのりんたろー。と兼近大樹も登場しました。
最初に、ジャン監督とウさんが「こんにちは」と日本語で挨拶を披露すると、客席からは拍手が沸き起こり、和やかな雰囲気の中で舞台挨拶がスタートしました。
この映画を作ったきっかけについて、ジャン監督は「愛情はもらった時点から、実は失われていくタイミングの始まりなのだということを伝えたかった」と映画に込めた思いを伝えます。また、映画の題名と息子の名前を「SUN FLOWER(ひまわり)」としたのは、「常に陽に向かって顔を上げるひまわりに、人生の辛いことを乗り越えていく姿を重ねました。作品では、ラストでお父さんが亡くなってしまいますが、それでも新しい一日はまたやってくるのだから、前を向いて歩こうというメッセージを込めた」と、この作品の要ともなる貴重な話を聞かせてくれました。
また、お父さん役を演じたウさんに、印象的なシーンについての質問が飛ぶと「たくさんあるけど、家が完全に潰れるシーン。深夜のモンゴルで撮影したのでかなり寒かった。全身濡れたままでやりきりました」と撮影の裏話を披露しました。さらに、この映画の撮影中に本当にお父さんになったという告白もあり、会場からは大きな拍手が。「父になったことは、この役を演じるのに大きな助けとなりました。子どもは素直ですから、息子役の子どもにはありのままで接しました」と、自身の役作りについても振り返りました。
ここで、作品にちなんで父親との思い出についてエピソードを求められたEXITのりんたろー。は「父はDJです」とネタを挟み込み、兼近も「俺も、父はクラブ生まれのクラブ育ち」といつものチャラ男口調で場を盛りあげつつ、りんたろー。は「男手ひとつで育ててくれた父の作ってくれるお弁当は茶色い食べ物ばかりだったけど、あったかいお弁当だった」と嘘か本当かわからない思い出話を披露。また、兼近にいたっては「かなり貧乏でサンタさんが来てくれない家だったので、『サンタさん来てください』ってお手紙を書いたら『サンタです。来ましたよ』って返事だけが来ていた」という、かなり特殊なエピソードを明かし、会場の笑いを誘っていました。
最後は「上映させてもらって、映画を観てくださってありがとうございました。ここから離れたくないくらい感激しています。みなさんの感想ももっと聞きたい。できれば来年も参加できるように頑張って映画を撮ります」と、ジャン監督からの力強いメッセージで、舞台挨拶を締めくくりました。